あれから30年 その後のミニマリスト

節約しすぎないシンプルライフ

物語から生まれたレシピ本

料理が得意でなくとも、ページをめくるだけで楽しい本を紹介します。

みをつくし献立帖 (ハルキ文庫 た 19-9 時代小説文庫)

高田郁「みをつくし料理帖」シリーズに登場した料理のレシピ集で、写真付き。

バルサの食卓 (新潮文庫)

上橋菜穂子精霊の守り人」シリーズから、架空の料理をチーム北海道が形にしたもの。

大草原の『小さな家の料理の本』 ローラ・インガルス一家の物語から

ご存じ「大草原の小さな家」シリーズから、ローラの時代の料理レシピを再現したもの。味の保証はできません。

おまけ

どのシリーズも、NHKでドラマが放送されています。なんだか「きょうの料理」みたいになってきましたね。ついでにこんなDVDも。

きょうの料理『帝国ホテル 村上信夫の世界』全2巻(NHKエデュケーショナル

高田郁『みをつくし料理帖』vsあさのあつこ弥勒シリーズ

女の人が書く時代小説の中でも、この2作品は対照的です。

八朔の雪―みをつくし料理帖 (ハルキ文庫 た 19-1 時代小説文庫)

高田郁は、山本周五郎にノックアウトされて時代小説を書きはじめました。『みをつくし料理帖』は、朝ドラのような明るさと軽快さがあります。作者は、おそらく図書館にこもって調べものに明け暮れて書いたのでしょう。近所に「つる家」みたいなお店があったらな、と思わせる小説です。

弥勒の月 (光文社時代小説文庫)

『バッテリー』で有名になったあさのあつこは、藤沢周平の影響で時代小説を書きはじめました。代表作の弥勒シリーズは、まだ完結していません。はっきり言ってネチネチした小説です。とくに『冬天の昴』は圧巻。最新刊の『花を呑む』は、流産した話から入るので、ヒリヒリします。

それぞれに師とする作家がいるのに、作風を受け継いでいません。2人とも、独自の路線を歩んでいます。

みをつくし料理帖は、料理の好きな方はもちろん、どちらかというと若い人向きかもしれません。弥勒シリーズは、事件を解決する捕物帳のスタイルをとりつつも、心理的なキャッチボールが濃密です。ふわふわした読み物にあきたりない方はどうぞ。

岸本葉子さん愛用の電気掃除機

岸本さんは、電気掃除機をロボット型からスティック型に買い替えました。その理由は、掃除してもらうための「お膳立て」がめんどうになったからです。床の上のものをどける、これ以上先に行かないように壁を作る……など。

モーター部分が上にあると、掃除の間、その重みをずっと手で支えなくてはいけません。それは、しんどそう。そこで選んだのが、

エレクトロラックス サイクロン式スティック&ハンディクリーナー(ラグジュアリーローズ )【掃除機】Electrolux ergorapido Lithium Bed Pro Power ZB3233B

このタイプは、朝出かける前にさっと掃除するのに最適。そういうときは、隅など気にせず、まあるくかけるのがコツです。来客があるときも、事前にちょいがけできます。

岸本さん宅は、60平米、猫付き。それでも十分な吸引力と運転時間があるそうです。

気になるのは、バッテリーの寿命と本体の耐久性です。続報をお待ちしています。

なお、マンション(1階)はスケルトンリフォームの最中のようです。住み心地については、続々々編でレポートしてくれるでしょう。

岸本葉子続々・ちょっと早めの老い支度 (ORANGE PAGE BOOKS)

テレビの中のミニマリスト

家の中を整理するのは大変でも、旅に出れば、持ち物をリセットできます。

次郎法師の持ち物

持ち物の少ない人の代表は、坊さんです。偉くなると、見栄えを整えるために、いろいろ必要なようですが。あそこの寺には、いつもベンツが止まってるなあ。

ところが修行僧になると、いかにミニマリストでも太刀打ちできません。布団や食器は使えても、托鉢に出るときは、応量器と頭陀袋くらいしか身につけません。次郎法師も似たようなものだったでしょう。

仙厓という坊さんによれば、加齢に伴い増えるのが「頭巾、襟巻、杖、老眼鏡、湯たんぽ、かいろ、尿瓶、孫の手」。たしかに必要なものばかりです。

木枯し紋次郎の持ち物

海外旅行の準備をするときに、いつも思い起こすのが木枯し紋次郎です。楊枝と刀を除けば、旅のスタイルとしては完璧です。大きな日傘で紫外線除け、マントで防寒・防水。懐中には財布、振分け荷物には日用品。

これを今風にアレンジすると、わらじがスニーカーになり、マントが新素材のウィンドブレーカーに。荷物は、デイパックに入れましょうか。通行手形がパスポートになり、銭がクレジット・カードに。できればスマホもほしいですね。デジタル・デトックスしたい方は、自宅に放置ということで。

テレビの中には、お手本となる人がいる。あやかりたいです。

中高年にもいろいろあって

年端もいかぬものにとって、全部まとめて中高年でも、細かく見るといろいろあるのです。

いちばん目立つのが団塊の世代ですね。なにしろ人数が多い。メディアもよく取り上げる。小田和正がその代表です。読書家が多く、物知りという印象があります。

もう少し年上で、こいつら困ったやつらだなあと苦虫をかみつぶしていたのが小椋佳

しっぽにくっついて活躍したのが南こうせつ、イルカ、伊勢正三たちです。彼らがフォークをメジャーにしました。その功績は大きいです。

世代としては、まったく別の太田裕美松山千春も、ひとまとめにジジババ・グループに入れられてしまいます。しかし、上の世代が散らかしたゴミを片づけて、次の世代にバトンを渡したのがアラカン*1世代なのです。

存在感が薄く、いるんだかいないんだか目立たない人が多い。でも、片づけに専念したので、ミニマリストの源流でもあるのです。ここまでが、若い人から見た高齢者ですかね。

中年層になると、みなバブルに浮かれていたと思われがちです。たしかに、そういう人はいたでしょう。なにしろ日本は豊かになりました。もう3畳*2・フロなしの生活ではありません。大学を卒業する前に、海外へ1か月ほど行ってくるのがふつうになりました。

しかし、職場で彼らを新人として受け入れた側から見ると、まったく違います。とにかく、まじめで堅実な人が多かった。それまで、後輩がやってきてもかわいいとは思えませんでしたが、その子たちにはつい応援してしまうような何かがありました。彼らもそろそろ50に手が届きそうです。

70歳と50歳では、幼少期に見た風景も、思春期を過ごした時代も異なります。それでも、そんなことは大した違いではないのです。年をとれば、みなジジババ。あと数年たてば、石田ゆり子でさえも、その予備軍に入ります。

こまかいことにこだわらず、みな仲良く年を重ねましょう。ということで、あれから30年*3、これからも続きます。

*1:「アラウンド還暦」の略で、嵐寛寿郎の愛称「あらかん」の掛詞。「アラウンド棺桶」の略ではない。

*2:かぐや姫神田川」:三畳一間の小さな下宿

*3:綾小路きみまろは「あれから40年」