かつてはシンプル・ライフが一般的でした
テレビのCMは、時代の雰囲気をよく表しています。
大きいことはいいことだ
日本は、むかしから小さいものをめでる文化でした。盆栽がいい例です。
ところが、高度成長期の1967年には、森永エールチョコレートが発売され、大きいことが絶賛されました。ちょうど東京五輪(1964)と大阪万博(1970)の中間です。
CMで有名になった山本直純は、のちに「男はつらいよ」の主題歌を作りました。
気楽にいこう
1970年になると、光化学スモッグが発生し、公害が一般の人にも知られるようなりました。経済にブレーキが必要だとの声も聞こえはじめた1971年、鈴木ヒロミツが故障した車を押すCMが流れました。「のんびりいこうよ」というのどかな歌詞です。
シンプル・ライフ
1973年にオイル・ショックが起こり、トイレットペーパーがないないないと、大騒ぎになりました。
そんな時代を経て、1976年に高倉健がCMに登場し、ひとこと「シンプル・ライフ」と。大人のカジュアル・ファッションをアピールしたのです。
もっとも、そんなことがなかったかのように80年代はバブルに浮かれ、90年代に沈没したのでした。やがて、さとり世代が登場し、ミニマリストにスポットが。
時代がぐるぐる回っているように感じます。衣食が足りると、欲しいものが減っていくのでしょうね。