ジジババが山盛りのホラー・ドラマ「やすらぎの郷」
半端な中年ドラマを作っていた倉本聰が、起死回生の「やすらぎの郷」をぶちかました。老人ホームが舞台で、原節子も住んでいそうな雰囲気。
九条摂子は、久我美子がモデルでしょうか。演じている八千草薫と同じ年(1931)の生まれで、岸惠子・久我美子・有馬稲子の3人で「にんじんくらぶ」(1954)を結成しました。その有馬も歌手役で出演しています。
八千草薫の若いときの写真が映し出されました。笛を持っているのは、宮本武蔵のお通役でしょう。彼女の代表作は、「夏目漱石の三四郎」(1955)のヒロイン役です。岩崎加根子との対比が鮮やかでした。その後、2人とも寅さんと共演してますね。
八千草は、70年代の後半にテレビで大活躍。「前略おふくろ様II」(1976年)で倉本、「岸辺のアルバム」(1977年)で山田太一、「阿修羅のごとく」(1979年)で向田邦子と組みました。軽いところでは、「ちょっとマイウェイ」(1979年)なんてのもありましたね。
「やすらぎの郷」には、これでもかというほど、ばあさんが出てきます。怖いもの見たさで、クセになりそうなドラマです。