あれから30年 その後のミニマリスト

節約しすぎないシンプルライフ

介護離職のあれこれ

介護同居未遂の私が言うのもなんですが、介護離職は避けた方がよさそうです。資金面から考えても、単身者のアーリーリタイアよりも難易度の高いチャレンジとなるでしょう。

 

篠田節子『長女たち』は、3つの中編からなる。いずれも2人きょうだいの長女が主役で、母娘のややこしい話に医療がからんでます。

冒頭の「家守娘」は、離婚歴ありの四十女が主人公です。亡くなった父が残してくれた「草むしりと掃除の手間と莫大な維持費のかかる家屋敷」に母親と二人で住んでいる。その母が認知症となり、43歳で退職します。介護離職ですね。

結婚して専業主婦の妹は、介護の助けにはならず、しだいに追い込まれていきます。いくつかの事件の後、重荷でしかなかった家屋敷が、一筋の光をもたらしてくれます。

 

長女たち (新潮文庫)

会社を辞めるとき、理由を正直に言ってしまいました。しかし周囲は納得してくれず、送別会では「なんでやめるのよ」とお局さまに詰問されるしまつ。いまなら、きっぱり「介護のため」と答えます。これなら、どこからも文句が出ない。黄門さまの印籠のようです。