あれから30年 その後のミニマリスト

節約しすぎないシンプルライフ

コロナの文献は、1か月で古典に

前回は、
ファイザー製ワクチンの効果を調べたら、高齢者は20代の半分、喫煙者は35%低下だった。スモーカーには悲しいお知らせでした。

さて、コロナをめぐる状況は、ここ1か月ほどで様変わり。古い情報はつねに更新しないといけません。

逆に言えば、数か月の時間をへても残った文献は、名作かもしれない。
たとえば、

新型コロナウイルスの感染を増強する抗体を発見―COVID-19の重症化に関与する可能性― | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

新しいキーワード RBD NTD 抗体依存性感染増強(ADE

こわいことが、さらりと書いてある。
新型コロナウイルスに感染すると、感染を防ぐ中和抗体ばかりでなく、感染を増強させる抗体(感染増強抗体)が産生される」


コロナパーティは、おすすめできない。
「感染増強抗体は中和抗体の感染を防ぐ作用を減弱させる」から。

つまり、コロナに感染すると感染増強抗体ができ、重症化しやすくなる。

暗い話だけでなく、希望の光も。
「感染増強抗体の産生を誘導しないワクチン」を作ればいいんだよと。

ところで、スパイクタンパク質のイメージ図としては、
図1よりも、もっと簡略化したこちらの方がわかりやすい。
三角形状ということばとマッチする。

https://stat.ameba.jp/user_images/20200217/21/odamaki3/ba/28/j/o0640025814714762893.jpg?caw=800

図をふまえて、もう少しくわしく書くと、こうなる。
新型コロナウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合部位(RBD)に対する抗体は、
ヒトの受容体であるACE2との結合を阻害することにより、
新型コロナウイルスの感染を抑える中和抗体として機能する。

中和抗体はRBDを認識するのに対して、感染増強抗体はNTDの特定の部位を認識する。

ところで、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質だけの情報をコピーしたものがmRNAワクチン。これを注射すると、ヒトの細胞内で抗体ができる。

ファイザー/ビオンテック社の新型コロナワクチンは、BNT162b2と呼ばれ、スパイクタンパク質全体をコピーしている。開発過程で、RBDのみをコピーするBNT162b1というワクチンも作られた。これは感染増強抗体が作られにくい。つまり、さきほど述べた希望の光とは、このことをさす。

まあ、なんらかの不都合があってBNT162b1は製品にならなかったけど、これから感染増強抗体の産生を誘導しないワクチンが作られる可能性はある。