あれから30年 その後のミニマリスト

節約しすぎないシンプルライフ

さくらの季節に読みたい小説

大河ドラマは鎌倉殿、こちらは小田原評定の北条氏。
初代早雲から5代氏直までの100年ほどの歴史小説です。
北条から見れば、どうして上杉謙信がしつように関東に遠征してくるのかわからない。佐竹義重のしぶとさも同様。
真田十勇士里見八犬伝の両家も、北条から見れば悪役なんですね。

下剋上の世の中にあって、北条氏は理念型の家系だった。
関東を静謐にすべく奮闘し、王道楽土を築こうとした。
従わないのなら、放置すればいいと思うのに、そうできないのが戦国武将なんでしょうね。

北条五代 上


同じ時代、同じ場所を別の視点から見るのが、こちら。
鎌倉公方が弱体化し、古河公方となり。さらに分家した小弓公方も出てくる小説です。最後は、子孫が仲良く喜連川藩を立て、めでたしめでたしで終わる。
さくらの一族という忍者や風魔も登場する。
北条五代」が表の歴史とすれば、「足利の血脈」はその裏バージョンです。

足利の血脈 書き下ろし歴史アンソロジー

小田原が開城するまでに、周辺の拠点はほとんど降伏するか落城してしまった。ただひとつ粘ったのが、忍城(埼玉県行田市)です。
攻め手は、秀吉にいいところを見せたい石田三成。ひともみで落とせると思ったら、相手はしぶとかった。もたもたしているうちに、ほかの城を落として手の空いた武将たちがぞくぞくと応援に駆けつけてくる。面目丸つぶれになるので、三成ファンには不愉快な小説です。

水の城――いまだ落城せず (祥伝社文庫)