あれから30年 その後のミニマリスト

節約しすぎないシンプルライフ

北条義時とはオレのことだ!

大河ドラマ草燃える」1979年は、源頼朝石坂浩二)、北条政子岩下志麻)、北条義時松平健)、そして二代将軍源頼家郷ひろみ。武者苦しいところでは和田義盛伊吹吾郎)や三浦義村藤岡弘)、きれいどころに草笛光子岩崎加根子を取り揃えていた。

最終回「承久の乱」では、尼将軍である政子が御家人たちを前にアジる。歌舞伎の一幕となりそうなシーンだが、史実ではなかったという説も。

そこに至るまでの小説が『修羅の都』と『夜叉の都』。

修羅の都<文庫版> (コルク)


修羅の都』が頼朝の死まで、『夜叉の都』が承久の乱まで。前者が頼朝とその仲間たちの物語で、後者が義時とその仲間たちの物語です。

夜叉の都 (文春e-book)

政子と義時との会話は、ちょっと間が抜けたような感じですが、ラストの御家人相手の演説は岩下志麻の声で読みました。

2冊とも歴史小説ではあるのですが、老いが共通のテーマに感じられました。頼朝、時政、義時の三者ともにさえない晩年を迎えます。一方、足腰の弱った政子が最後に演説の冴えを見せて幕引き。

鎌倉幕府を頼朝が創業したけど、後継者に恵まれなかった。会社は重役たちが取り仕切ったけど、危機に際しては社長夫人だけが頼りだった。そんな未亡人幕府を経て、執権政治へと移行したんですね。

承久の乱がどういうものだったのか、詳しくはこちらを。読みやすい本です。

承久の乱 日本史のターニングポイント (文春新書)

脇エピソードとしては、こんなのも。
京にいる義経を討てとの頼朝の命を受け、おっとり刀でかけつけて見事に失敗する土佐坊 昌俊。演じているのは荒井注。「草燃える」の原作者である永井路子の作品もある。

寂光院残照 (角川文庫)