あれから30年 その後のミニマリスト

節約しすぎないシンプルライフ

岸本葉子さん愛用の電気掃除機

岸本さんは、電気掃除機をロボット型からスティック型に買い替えました。その理由は、掃除してもらうための「お膳立て」がめんどうになったからです。床の上のものをどける、これ以上先に行かないように壁を作る……など。

モーター部分が上にあると、掃除の間、その重みをずっと手で支えなくてはいけません。それは、しんどそう。そこで選んだのが、

エレクトロラックス サイクロン式スティック&ハンディクリーナー(ラグジュアリーローズ )【掃除機】Electrolux ergorapido Lithium Bed Pro Power ZB3233B

このタイプは、朝出かける前にさっと掃除するのに最適。そういうときは、隅など気にせず、まあるくかけるのがコツです。来客があるときも、事前にちょいがけできます。

岸本さん宅は、60平米、猫付き。それでも十分な吸引力と運転時間があるそうです。

気になるのは、バッテリーの寿命と本体の耐久性です。続報をお待ちしています。

なお、マンション(1階)はスケルトンリフォームの最中のようです。住み心地については、続々々編でレポートしてくれるでしょう。

岸本葉子続々・ちょっと早めの老い支度 (ORANGE PAGE BOOKS)

テレビの中のミニマリスト

家の中を整理するのは大変でも、旅に出れば、持ち物をリセットできます。

次郎法師の持ち物

持ち物の少ない人の代表は、坊さんです。偉くなると、見栄えを整えるために、いろいろ必要なようですが。あそこの寺には、いつもベンツが止まってるなあ。

ところが修行僧になると、いかにミニマリストでも太刀打ちできません。布団や食器は使えても、托鉢に出るときは、応量器と頭陀袋くらいしか身につけません。次郎法師も似たようなものだったでしょう。

仙厓という坊さんによれば、加齢に伴い増えるのが「頭巾、襟巻、杖、老眼鏡、湯たんぽ、かいろ、尿瓶、孫の手」。たしかに必要なものばかりです。

木枯し紋次郎の持ち物

海外旅行の準備をするときに、いつも思い起こすのが木枯し紋次郎です。楊枝と刀を除けば、旅のスタイルとしては完璧です。大きな日傘で紫外線除け、マントで防寒・防水。懐中には財布、振分け荷物には日用品。

これを今風にアレンジすると、わらじがスニーカーになり、マントが新素材のウィンドブレーカーに。荷物は、デイパックに入れましょうか。通行手形がパスポートになり、銭がクレジット・カードに。できればスマホもほしいですね。デジタル・デトックスしたい方は、自宅に放置ということで。

テレビの中には、お手本となる人がいる。あやかりたいです。

中高年にもいろいろあって

年端もいかぬものにとって、全部まとめて中高年でも、細かく見るといろいろあるのです。

いちばん目立つのが団塊の世代ですね。なにしろ人数が多い。メディアもよく取り上げる。小田和正がその代表です。読書家が多く、物知りという印象があります。

もう少し年上で、こいつら困ったやつらだなあと苦虫をかみつぶしていたのが小椋佳

しっぽにくっついて活躍したのが南こうせつ、イルカ、伊勢正三たちです。彼らがフォークをメジャーにしました。その功績は大きいです。

世代としては、まったく別の太田裕美松山千春も、ひとまとめにジジババ・グループに入れられてしまいます。しかし、上の世代が散らかしたゴミを片づけて、次の世代にバトンを渡したのがアラカン*1世代なのです。

存在感が薄く、いるんだかいないんだか目立たない人が多い。でも、片づけに専念したので、ミニマリストの源流でもあるのです。ここまでが、若い人から見た高齢者ですかね。

中年層になると、みなバブルに浮かれていたと思われがちです。たしかに、そういう人はいたでしょう。なにしろ日本は豊かになりました。もう3畳*2・フロなしの生活ではありません。大学を卒業する前に、海外へ1か月ほど行ってくるのがふつうになりました。

しかし、職場で彼らを新人として受け入れた側から見ると、まったく違います。とにかく、まじめで堅実な人が多かった。それまで、後輩がやってきてもかわいいとは思えませんでしたが、その子たちにはつい応援してしまうような何かがありました。彼らもそろそろ50に手が届きそうです。

70歳と50歳では、幼少期に見た風景も、思春期を過ごした時代も異なります。それでも、そんなことは大した違いではないのです。年をとれば、みなジジババ。あと数年たてば、石田ゆり子でさえも、その予備軍に入ります。

こまかいことにこだわらず、みな仲良く年を重ねましょう。ということで、あれから30年*3、これからも続きます。

*1:「アラウンド還暦」の略で、嵐寛寿郎の愛称「あらかん」の掛詞。「アラウンド棺桶」の略ではない。

*2:かぐや姫神田川」:三畳一間の小さな下宿

*3:綾小路きみまろは「あれから40年」

出口治明『働く君に伝えたい「お金」の教養 人生を変える5つの特別講義』

これは、お金の運転免許証を取得するための受講科目。出口さんに質問しながら、女性ライターが20代向けにまとめたもので、いわゆるマネー・リテラシー向上本というやつです。むかしはこの類の本がなくて、私などもリテラシーが向上することもなく30の声を聞いてしまいました。

はじめに総論があり、各論としてお金の使い方、貯め方、殖やし方、稼ぎ方の順に受講します。通読すると、お金のことで死ぬまで不安に思うことなく、楽しく生きていけるようになります。そしてお金に支配されることなく、お金を支配できるようにも。

細かいハウツーまでは書いてないので、その先は自分で勉強する必要があります。入り口としては、ファーストクラスのできばえです。

こういう本を見ると、親世代は子どもたちに読ませたくなるのですが、必要な子ほど関心がありません。まして読みなさいなどと言おうものならば、以下略。まあ、本人の目の前で読んでいるのを見せつけるとか、読みかけの本をテーブルの上に放置するとか、そのくらいしか手がありません。

さて、親子に対する出口さんのアドバイスは、親に頼らせない、子は親からの相続をあてにしない、です。

「親の金は親の金」と割り切り、「ぜんぶ使い切ってください、そのかわり面倒は見ません」と宣言してしまいなさいと。かなりドライですね。

それに対して親がなすべきことは、次の3つを子に知らせておくこと。

  • 重要書類がどこにしまってあるか
  • 自分はどんな葬式をしたいか
  • 認知症や寝たきりになったとき、延命治療をしてほしいのか

とても簡素ですが、20代向けのアドバイスとは思えませんね。身近なところでは、親が80代、子が50代の組み合わせが多い。3つの情報を知らせておいてくれても、実際には兄弟がいると意見が割れて、これも以下略。

親も元気、伴侶もいない、独身の20代なら、シンプルです。「いましかできないことに」お金を使うだけでいい。出口さんおすすめのの3本柱で、濃密な体験を味わってほしいですね。老爺心ながら。

節電は若者の特権かも

だいぶ前に、どこまで節電できるか挑戦したことがあります。いろいろ試してみたのですが、家電製品があるので、電気代は一定水準までしか下がりませんでした。年を重ねるにつれ、度が過ぎるとなんとかの冷や水になりかねないので、節電をやめました。そのときに、つくづく思いました。節電はぜいたくな趣味だと。そして若い人ほど楽しめるとね。

あるとき、電気代が安いことに気づきました。もう節電やめてるのに、どうしてなんだろう。答えはすぐに見つかりました。パソコンが原因だったのです。それまで使っていたデスクトップPCをノート型にかえたからです。チェーンジの威力は絶大でありました。

メーターを持ってないので実測できないのですが、スタンバイさせると、消費電力が小さくなるようです。休止状態とほぼ同じです。つまり、パソコンの電気代を安くするには、ノートPCを使うのがいい。まめにスタンバイさせることで、もっと安くなる。

さらに、節電できるのはスマホです。ディスプレイも小さく、ハードディスクもない。CPUも控え目。もう、言うことなしです。ただね、老眼の人にはちとつらい。字が小さくて。やはり、節電は若者の特権のようです。