中高年にもいろいろあって
年端もいかぬものにとって、全部まとめて中高年でも、細かく見るといろいろあるのです。
いちばん目立つのが団塊の世代ですね。なにしろ人数が多い。メディアもよく取り上げる。小田和正がその代表です。読書家が多く、物知りという印象があります。
もう少し年上で、こいつら困ったやつらだなあと苦虫をかみつぶしていたのが小椋佳。
しっぽにくっついて活躍したのが南こうせつ、イルカ、伊勢正三たちです。彼らがフォークをメジャーにしました。その功績は大きいです。
世代としては、まったく別の太田裕美、松山千春も、ひとまとめにジジババ・グループに入れられてしまいます。しかし、上の世代が散らかしたゴミを片づけて、次の世代にバトンを渡したのがアラカン*1世代なのです。
存在感が薄く、いるんだかいないんだか目立たない人が多い。でも、片づけに専念したので、ミニマリストの源流でもあるのです。ここまでが、若い人から見た高齢者ですかね。
中年層になると、みなバブルに浮かれていたと思われがちです。たしかに、そういう人はいたでしょう。なにしろ日本は豊かになりました。もう3畳*2・フロなしの生活ではありません。大学を卒業する前に、海外へ1か月ほど行ってくるのがふつうになりました。
しかし、職場で彼らを新人として受け入れた側から見ると、まったく違います。とにかく、まじめで堅実な人が多かった。それまで、後輩がやってきてもかわいいとは思えませんでしたが、その子たちにはつい応援してしまうような何かがありました。彼らもそろそろ50に手が届きそうです。
70歳と50歳では、幼少期に見た風景も、思春期を過ごした時代も異なります。それでも、そんなことは大した違いではないのです。年をとれば、みなジジババ。あと数年たてば、石田ゆり子でさえも、その予備軍に入ります。
こまかいことにこだわらず、みな仲良く年を重ねましょう。ということで、あれから30年*3、これからも続きます。
出口治明『働く君に伝えたい「お金」の教養 人生を変える5つの特別講義』
これは、お金の運転免許証を取得するための受講科目。出口さんに質問しながら、女性ライターが20代向けにまとめたもので、いわゆるマネー・リテラシー向上本というやつです。むかしはこの類の本がなくて、私などもリテラシーが向上することもなく30の声を聞いてしまいました。
はじめに総論があり、各論としてお金の使い方、貯め方、殖やし方、稼ぎ方の順に受講します。通読すると、お金のことで死ぬまで不安に思うことなく、楽しく生きていけるようになります。そしてお金に支配されることなく、お金を支配できるようにも。
細かいハウツーまでは書いてないので、その先は自分で勉強する必要があります。入り口としては、ファーストクラスのできばえです。
こういう本を見ると、親世代は子どもたちに読ませたくなるのですが、必要な子ほど関心がありません。まして読みなさいなどと言おうものならば、以下略。まあ、本人の目の前で読んでいるのを見せつけるとか、読みかけの本をテーブルの上に放置するとか、そのくらいしか手がありません。
さて、親子に対する出口さんのアドバイスは、親に頼らせない、子は親からの相続をあてにしない、です。
「親の金は親の金」と割り切り、「ぜんぶ使い切ってください、そのかわり面倒は見ません」と宣言してしまいなさいと。かなりドライですね。
それに対して親がなすべきことは、次の3つを子に知らせておくこと。
- 重要書類がどこにしまってあるか
- 自分はどんな葬式をしたいか
- 認知症や寝たきりになったとき、延命治療をしてほしいのか
とても簡素ですが、20代向けのアドバイスとは思えませんね。身近なところでは、親が80代、子が50代の組み合わせが多い。3つの情報を知らせておいてくれても、実際には兄弟がいると意見が割れて、これも以下略。
親も元気、伴侶もいない、独身の20代なら、シンプルです。「いましかできないことに」お金を使うだけでいい。出口さんおすすめの人・本・旅の3本柱で、濃密な体験を味わってほしいですね。老爺心ながら。
節電は若者の特権かも
だいぶ前に、どこまで節電できるか挑戦したことがあります。いろいろ試してみたのですが、家電製品があるので、電気代は一定水準までしか下がりませんでした。年を重ねるにつれ、度が過ぎるとなんとかの冷や水になりかねないので、節電をやめました。そのときに、つくづく思いました。節電はぜいたくな趣味だと。そして若い人ほど楽しめるとね。
あるとき、電気代が安いことに気づきました。もう節電やめてるのに、どうしてなんだろう。答えはすぐに見つかりました。パソコンが原因だったのです。それまで使っていたデスクトップPCをノート型にかえたからです。チェーンジの威力は絶大でありました。
メーターを持ってないので実測できないのですが、スタンバイさせると、消費電力が小さくなるようです。休止状態とほぼ同じです。つまり、パソコンの電気代を安くするには、ノートPCを使うのがいい。まめにスタンバイさせることで、もっと安くなる。
さらに、節電できるのはスマホです。ディスプレイも小さく、ハードディスクもない。CPUも控え目。もう、言うことなしです。ただね、老眼の人にはちとつらい。字が小さくて。やはり、節電は若者の特権のようです。
マンガの中のおばあちゃん
おばあちゃんでも有名人はいます。「佐賀のがばいばあちゃん」は吉行和子、「コラ!なんばしよっと」の桃井かおり。正確には武田鉄矢の母ですが。
マンガにも有名人はいるのです。
田辺つる
短編だけど、小説なら芥川賞まちがいなし。とってもかわいらしい。
傘寿まり子
こちらは長編エンタメ。4世代同居の80歳。元売れっ子マンガ家で、独立を決意。アパートを探しても見つからないので、しかたなく高級ホテルへ。お金がもったいないので、今度はネットカフェへ。まり子さんの波乱万丈が描かれています。
マンガは、タブレットだと見やすいですね。でもノートパソコンだと、振っても画面が寝てくれません。Windows 10なら、設定>システム>ディスプレイと開いていくと、「向き」で設定できます。「適用する」ボタンを押してやれば、画面が回転します。パソコンがしつこく聞いてきますから、OKですよと教えてあげると、縦長画面で読めるようになります。一度、お試しを。
片づけばあさん対決 元祖はどっちだ?
長らく本棚の肥やしになっていた本を2冊紹介いたしましょう。漬物石にはなりそうもないですが、元気なばあさんの声に耳を傾けてみましょう。
おばあさんの知恵袋 桑井いね
あたしゃ、明治生まれのおばあさんになりきって、この本を書いたのよ。食べものや道具の手入れのことを、つれづれなるままに綴ったの。あとからマネする人が多くてねえ。似たような本がたくさん出たのよ。近ごろは、インターネットとかいうのが流行ってるそうだけど、袋ばかりで中身は人まかせらしいわよ。Gooの音も出ない、じゃなくて、ヤッホーだったかしら。
暮し上手の家事ノート 町田貞子
本を出したのが80年代なので、モダンですのよ。「整理上手のシンプル・ライフ」を唱って、私の家庭管理のすべてを公開しました。むかし雑誌『婦人之友』の友の会に入っていて、やがて「家計と住まい方は一つ」という考えにまとまったの。その後文庫化されてね、その名前が「知的生きかた文庫」というの。世のおじさま方も、手に取ってくださるかしら。