あれから30年 その後のミニマリスト

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コロナウイルスに立ちはだかる白血球

さて、いよいよ免疫系の話です。

免疫は、機能面から2つに分類できる。
液性免疫は、抗原に対して特定の抗体がつくられ、それによって生体を防御する仕組みで、リンパ球のうちのB細胞が担う。抗原抗体反応です。
細胞性免疫は、生体内に侵入してきた病原体に対して、リンパ球それ自体が直接攻撃をしかける。リンパ球のうちのT細胞NK細胞が担う。

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図5には説明していないことも描かれていますが、まずは2つの機能を区分して理解しましょう。

 

全体図にすると、こちらの図1になります。

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抗原に対応する抗体をつくるのは、リンパ球のB細胞が分化してできた形質細胞です。
Y字型をしており、両側の先端で「抗原」にくっつきます。そして、Y字のおしりの部分を介してナチュラルキラー細胞やマクロファージといった免疫細胞にくっつき、これらの細胞の助けを借りてウイルスをやっつけます。

一方、形質細胞に分化しなかったB細胞は、記憶細胞(メモリー細胞)となり、入ってきた抗原を記憶します。これによって、次に同じ抗原が侵入してきたときにも、すばやく反応することができるのです。

B細胞に抗原の侵入を知らせるのはヘルパーT細胞で、ヘルパーT細胞からの連絡を受けると、B細胞はすぐに分裂を始め、形質細胞へと分化します。

 

抗体は、免疫グロブリンというタンパク質で構成されている。
抗体の可変部の違いにより、免疫グロブリンは、IgG、IgM、IgA、IgE、IgDの5つのクラスに分けられます。

抗体の構造は、こちらの図4。

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ちょっと詳しすぎる。
Y字型であること、可変部と定常部があることが基本です。

 

前回の説明で、
「侵入してきたコロナウイルスは、好中球やマクロファージに食べられる」のでしたね。

そのときマクロファージは、「ここに敵がいるぞ」とほかの細胞に知らせる。その情報は、サイトカインという物質で送られます。
その知らせを受けて、キラーT細胞に「攻撃しろ」と指令を出すのがヘルパーT細胞。ヘルパーT細胞は同時に、敵に対して最も効果的な武器(抗体)を生産するB細胞を選び出し、抗体をつくらせます。
しかし、サイトカインをいつまでも出し続けると、自分の細胞までダメージを受けてしまう。アレルギー反応が出る可能性も。
それを防ぐのが、サプレッサーT細胞です。

 

白血球などの免疫細胞は、「自己」と「非自己」を区別し、自分でないものを攻撃する。人間の場合は、ヒト白血球抗原(HLA)で区別します。HLAは、染色体のある場所に固まって存在し、多数のハプロタイプに分類できます。

ひところ「ファクターX」が話題になりましたが、HLA遺伝子の違いと関係あるかもしれません。