あれから30年 その後のミニマリスト

節約しすぎないシンプルライフ

バッタをばったばったとなぎ倒し

中国の歴史小説のようなタイトル『香君』は、上橋菜穂子の新作。
設定は架空の国なのに、地図を見るとタクラマカンとか崑崙とかを連想する。
出てくる作物や虫は実在しないのに、読んでいてアレロパシーとかF1種子の話だとわかる。
食べ物と政治との関係が前面に出てくるところが、大人向け。
正義だけでは、通用しない現実がある。
小説としてはいささか説明過剰なところがあるけど、換骨奪胎してアニメ化してほしい。
活劇のバルサ、お子さまランチのエリン、とは一味違う作品ができそう。
脇役にいいキャラクターがそろっているので、話を膨らませやすい。

香君 上 西から来た少女 (文春e-book)

 

参照文献のウルドさん、取材はできなかったようですね。

これは文句なしの名著。

ウルド昆虫記 バッタを倒しにアフリカへ

 

国内の話になると、イナゴバッタを区別する地方と、そうでないところがある。
たとえば、徳島県出身の人が訳すと、
「大気は、イナゴの羽のふれ合う底深い音で、いっぱいになった」
    パール・バック『大地』
わたしなら「バッタ」と訳すのですが、どんなもんでしょう。

 

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