ミシェール・ヨー、アカデミー主演女優賞おめでとう!
還暦でアクションとはすばらしい。
はじめて見たのは「ポリス・ストーリー3」(1992)で、
「グリーン・デスティニー」(2000)では風格さえ感じさせる剣技を披露。
その後は、「アウンサンスーチー」(2011)のような、お堅い映画にも出演。それらの集大成が受賞作なんでしょう。
日本でこのポジションをねらえるのは、綾瀬はるかだけかな?
老いに抗わない女
中国の歴史ドラマを見るようになって気づいた。
自分は、整形美人に弱いと。
とくに目とか鼻とかアゴ。
このあたりをいじりすぎると、正視できなくなり、途中リタイヤしてしまう。
逆に、膨らませても不自然。
歳相応に見えないからだ。
樹木希林は、眉毛だけは絶対にいじってはダメだと言っていた。
それに逆らったのが、浅田美代子。
いくら反対されても、眉毛を整えることをやめなかった。
それでも、60代になって「どう見られたってかまわない」という境地に。
吉永小百合が相手でも、いきなり「どちらで直したの?」などと突っ込んでいく。なんとも困ったばあさんなんだが、松岡茉優も黒木華も多部未華子も、この洗礼を受けていそう。
樹木希林は、あくまでも役者が整形することに反対した。
役者でなければ、いくらでもいじればいいと。
歳相応のおあばちゃんに見えるおばあちゃん。
かくなる不在を埋めるのはだれか?
GyaO、3月いっぱいでサービス停止
ときどき古い映画が配信される優秀なサービスだったのに残念。
ここ数年、退潮つづきのYahoo!だいじょうぶかな。人ごとながら、心配です。
数ある映画の中から「女王トミュリス 史上最強の戦士」を鑑賞。
製作は2019年、カザフスタンは映画大国のようですね。
馬を使ったシーンが秀逸。
941年にダマスカスでアル・ファーラビーが、むかしの話を書き記すところからはじまる。この人、「アリストテレスに次ぐ二番目の偉大な師」と絶賛される中世イスラームの哲学者なんだとか。
紀元前550年ころ、アケネメス朝ペルシアのキュロス大王が中央アジアに進出するために、北伐を行った。このあたりのステップ地帯には、遊牧民サカが住んでいた。ホラズムから略奪して生計を立てている部族も。カスピ海の東側にはマッサゲタイ、本作品の主役ですね。いま戦争している黒海北岸にスキタイ。隠れた脇役ですが、連携してキュロス王に挑んだようです。
カザフスタン映画は、弱小部族が大国に一矢を報いるというパターンが多いのでしょうか。「ダイダロス 希望の大地」(2012年)では、強敵ジュンガルを相手にしていた。
アメリカ映画「ウォリアーズ」(1979年)も同じモチーフ。こちらはギャング同士の対決ですが。
2022年のドラマは、チャレンジしてる
年明けは、新人脚本家の作品「踊り場にて」から。
バレエで挫折し、高校の臨時教員になるのが瀧本美織(30歳)。
母親役は、富田靖子でした。
一作でそれっきりとはならず、連続ドラマに抜擢された生方美久(うぶかた みく)。思いっきり振り切った脚本を書いてます。
「silent」の夏帆は、いい子なんだけど、問題発言も。
筆談に加え、表情たっぷりの手話がとてもいい。
思いを寄せる想くんの母が、篠原涼子。
題名どおり、音を消して、サイレント・ドラマで鑑賞中。
一方、瀧本美織は「Sister」で狂女と思しき姉にチャレンジ。
姉妹の母親は、櫻井淳子。
どこに楽しみを見出していいのか、難しいドラマです。
ドラマの法則 その1
ドラマには、もれなくお母さんがついてくる。
多くのドラマに朝ドラの影響があり、大河ドラマも例外ではない。
演じる役者さんたちは、そういうものに拒否感があるのか、
テレビ東京の深夜ドラマに出たがる。
その結果、作り手も「きのう何食べた?」(テレビ東京、2019)みたいな果実を求めるようになる。
ならば、脚本家を連れてくればいいじゃないか。
そしてできあがったのが、朝ドラの「おかえりモネ」(NHK、2021)。
書いたのはもちろん安達奈緒子。
「霊媒探偵・城塚翡翠」なんて、まるでNHKから引っ越してきたようなドラマです。
「透明なゆりかご」(NHK、2018)から清原果耶、瀬戸康史。「トクサツガガガ」(NHK、2019)から小芝風花。
役者に気をとられて、ストーリーが頭に入らない。
ドラマの法則 その2
すべてのドラマは、NHKとテレビ東京に通じる。
今年は、詐欺がはやっているのでしょうか。
「ちむどんどん 」の姉(川口春奈)は「silent」に、妹(黒島結菜)は「クロサギ 2022」にそれぞれ出演。ライバルとして火花を散らしています。
結婚詐欺は、アカサギと言うのですね。
その結婚詐欺にチャレンジしたのが、「一橋桐子の犯罪日記」。
76歳の桐子(松坂慶子)が、シニアの婚活パーティーに参加。
指南役の木村多江が、楽しそうに演じてます。
コメディが苦手なNHK、軽い認知症の人までターゲットにしたような作りに。
ここまで割り切れば、それなりに味わえるかも。
「一橋桐子の犯罪日記」が後期高齢者ドラマなのに対し、「定年オヤジ改造計画」は前期高齢者ドラマでした。
まさかの郷ひろみを投入。不定愁訴や夫源病から、保育園問題まで。あれこれ詰め込んで、最後はもちろんハッピーエンド。
図書館に、行き場のないじじいが集まっていたり、あるあるですね。
部長病というのもお忘れなく。
二枚目や美女は、中年期を過ごすのが難しい。
うまく年をとれないから。
松坂慶子は、「愛の水中花」(1979)を歌うバニーガールから、「篤姫」(2008)の恰幅のいい幾島役に、見事な変身をとげた。
太ることは、必ずしも悪いことではない、と多くの人が気づいた。
その後、松坂につづく女優が増えた。
ドラマの法則 その3
青年は、松坂慶子をめざす。
役者のビフォー、アフター
旧作と新作が入り乱れて放送されるので、いろいろ発見があります。
「愛していると言ってくれ」(1995)は、登場人物がみな若くて、びっくりしました。
矢田亜希子は、渋谷から直接撮影に駆けつけたような、初々しい高校生。主役と血のつながらない妹です。
それから5年、「やまとなでしこ」(2000)では、あいかわらず妹分という役どころで、不完全燃焼。翌年の「私を旅館に連れてって」(2001)で一気に開花します。
「やまとなでしこ」に出てくるCA(客室乗務員)は、合コンばかりやってるのですが、これってクレームつかなかったのでしょうか。時代の違いもあるでしょうが、知り合いのCAとあまりにも違いすぎて、ドラマを楽しめませんでした。
「Dr.コトー診療所2004」は、与那国島を舞台にしたお医者さんのドラマ。中島みゆきの主題歌もヒットしました。
主要な産業は漁業で、あとは村役場、小学校、診療所しか職場がありません。
その小学校の先生の娘がぜんそくで、転地療養を兼ねて一家で引っ越してきました。異界からかわいいお姫さまがやってきて、ちまたの小僧どもがそわそわするというよくあるパターンです。子どもたちのモミジ葉のような手にやられました。
村役場のキャストがすごい。課長の小林薫は、映画「パラダイスビュー」(1985)で、いずことも知れぬ沖縄の地で戸川純と戯れていた。職員の大森南朋は、映画「深呼吸の必要」(2004)で、サトウキビ刈りのバイトリーダーをやっていた。そんなふたりが勤める役場は、オキナワン・パラダイス。
大森南朋は、その後社会復帰して、家政夫になったと聞く。
「私の家政夫ナギサさん」(2020)
ちょっと気になったのは、「やまとなでしこ」の中で、女は27歳が結婚時期のベストだとのご託宣。バブルのころ、女子の平均結婚年齢は26歳台でした。もっと前は、クリスマス・ケーキにたとえられ、24歳までが適齢期でした。
女は結婚しなくてはいけない、という呪縛が解けたのは、いつごろだったのでしょう。結婚しないのが当たり前になり、わざわざ活動しないといけないので、「婚活」ということばが生まれたのでしょうね。
ちなみに、ここ10年で身内で結婚したのは、すべて30代前半です。一組だけ、初婚ではないので年齢が少し上ですが。